こんにちは。部活カウンセラー未来です。
今回は、部活に役立つメンタルの話です。
まずは、質問です。
部活生のみなさんは、ふだんは自分に厳しいほうですか? それとも甘いほうですか?
日本人は海外の人に比べて「まじめ」「勤勉」「秩序を守る」と言われていますよね。
みなさんも、子どもの頃に両親から厳しくしつけられたり、学校の先生から規則を守ることをしっかりと教え込まれたのではないでしょうか。
もちろん、それらは生きていくうえで大切なことです。けれども、良いことも、度が過ぎると、自分のメンタルを壊してしまうこともあるのです。
とくに、責任感が強い人、努力家の人、完璧主義の人は、無意識に自分に厳しくなりがちです。
今回は、オーストラリアの精神科医で、「無意識」を発見したり、「夢分析」という手法を生み出したり、心理学の基礎を築いたフロイトという人の理論をもとに、みなさんの心の中の「3つの異なる機能」についてご紹介します。
「なんだか、心が疲れたなぁ」と感じた時は、3つのバランスが崩れていないか、セルフ・チェックしてみてくださいね。
3つの心のバランスが崩れると問題が起きる
フロイトさんの理論によると、人間の心は「3つの機能」から成り立っているのだそうです。
そして、この3つのバランスが崩れたとき、心身に問題が起きるといいます。
その3つが、こちらです。
- 無意識
- 超自我
- 自我
無意識は、快楽が基本。欲求や感情など動物的な本能です。
超自我は、道徳が基本。親や周りから教えられた躾などです。
自我は、現実が基本。「無意識からの欲求」と「超自我からの自己規制」の間で、その場に適応できるよう現実的な判断を下す役割をもっています。
この「3つの心」の関係を図で表すと、以下のようなパワーバランスに感じになります。
実際にあなたの頭の中でこれらの「3兄弟」が、どのような会話を行っているのか見てみましょう。
無意識くん:「今日は部活に行きたくないなぁ・・・」
超自我くん:「休むと周りに迷惑をかけるから、行くべきだよ!」
自 我くん:「こんな気持ちで部活に行く方が迷惑をかけるから、今日は自主練にしておこうかな」
と、こんな感じです。
自分に甘い「無意識」くんと、自分に厳しい「超自我」くんの間で板挟みになった「自我」くんが、最終的に甘すぎず、厳しすぎない「現実的」な結論を導き出している、ということですね。
では、この理論をもとに、心が疲れやすい人の傾向を見てみましょう。その特徴は、大きく2つあるようです。
1つめは、「超自我」が強すぎる場合
心が疲れやすい人の特徴、1つめは、自分を甘やかしてはいけない、完璧にこなさなければならない、という思いが強く、完璧主義に陥りがちな人です。
このように自分に厳しい人、「超自我」が強い人は、親から厳しくしつけられた人に多いのだそうです。
「自分は、超自我が強いかも・・・」と思い当たる部活生のみなさんは、超自我の「自己規制」的な考えを少し緩めた妥協点を見つけるようにしてみましょう。
2つめは、「自我」が弱い、育っていない場合
心が疲れやすい人の2つめの特徴は、3つの考えの調整役である「自我」が弱い、育っていない人です。
このような場合、「自我」が、「無意識」と「超自我」の板挟み状態におちいり適切な判断ができなくなり、脳を疲れさせてしまいます。
父母のどちらかに厳しく、あるいは甘やかして、育てられたと人に多いのだそうです。
適切な判断ができないということは、「悩んでいる時間が長くなる」ので、脳が疲れてきってしまうわけですね。
このような人は、
「今、無意識と超自我の板挟みになっているな」
と認識したうえで、自分に厳しすぎず、甘すぎない、ちょうどよい着地点を見つけるよう意識してみるとよいですね。
「最近、疲れて、やる気が落ちたなぁ」
と感じている人は、自分の心の中にある3つのバランスが、偏っていないか、セルフチェックしてみてくださいね。